禅とマインドフルネスの対話を終えて
連休初日の2019年4月27日に40人ほどの方々が禅塾を訪れ、“禅とマインドフルネスの対話”に参加されました。
禅の理を学び実際に体験し、休憩を挟み、今度はマインドフルネスを体験しその理を学ぶという趣旨の会でした。
更に、質疑応答を含め、2時間半余り。
稀な機会ですので、関係者の了承を得てビデオ録画もアップロードしています。
資料とビデオは下記をクリックしてください。
会の前には、春の陽光の中、庭を散策して頂きました。
生け垣のツツジは未だつぼみでしたが、ボタン畑はちょうど盛りで、そのよく手入れされた庭から禅的日常の一端を体験頂けたと思います。
また書院・典座寮(テンゾリョウ・台所)・食堂(ジキドウ)・禅堂といった禅塾の造り、また、着物・袴・草履の若者に、昭和の始めのなんとも言えない懐かしさを感じられた方も多かったと思います。
禅堂はしんとして肌寒く老師の配慮で戸・窓を閉めて会を始めましたが、春の嵐が吹き募りました。
ビデオで聞こえるガタガタは今時めずらしい木窓が震える音です。
後でビデオを見て思ったのですが、そのガタガタは、“大拙先生が、「禅とはこういうものだ」とおっしゃって、前のテーブルをガタガタと動かされたんですよ(上田閑照)”、のガタガタを思い出させてくれました。
分かったつもりでそこに腰をかけるなよとの励ましにも聞こえました。
最後の30分ほどを対話(質疑応答)の時間としました。
“三昧に本当に入るためには僧堂修行で8~10年が必要ということであれば、日常での10~15分の坐禅の意義はどこにあるのでしょうか?”という質問が老師に投げかけられました。
一方老師からは、マインドフルネスで他利(他受用)はどう捉えているのかという問いかけがあるなど、参加された方々も含め興味深いやりとりが交わされました。
参加された方にとって、この2時間半余りで、一番印象に残ったことは、ひょっとすると、風が吹き募る禅堂の寒さであったかも知れません。
そして、その体験がお日様のありがたさの体験に繋がった方も多かったかも知れません。文字通り禅の風光です。
日々、禅をやられている方もあるいはマインドフルネスをやられている方も、多少とも新たな視点を感じて頂けたことを願っています。
ご参加頂いた皆様、誠にありがとうございました。
MBSR研究会・関西医大心療内科学教室・雲の会 伊藤 靖