京都国立博物館員のマリサ・リンネ さん(9/12)

 

涼風を求めて(京の川床から夕暮れ時の鴨川を望む)

 

この間(9/3)何気なくテレビを見ていると、

ブラウン管から「マリサ・リンネさん」と言う、

アナウンサーの声が聞こえてきた。

 

「はて、聞き覚えのある名前だが」と、思いながら

画面に映しだされたその人の顔を見て、

すぐに「あのリンネさん」だと分かった。

 

「あのリンネさん」とは、

1989年9月から1991年3月まで、

約1年半の間、禅塾に在塾していた、

アメリカ人女性マリサ・リンネさんのことである。

 

私は彼女が入塾して来た日のことを、

今でもはっきりと記憶している。

 

そのとき私はたまたま浅井義宣老師に隠寮傍の部屋で相見中だった。

そこへ当時まだスタンフォード大の学生だったリンネさんが、

もう一人の学生と入塾の挨拶にやってきたのだった。

 

そのころ禅塾に通参していた私は、

それから後、彼女とも一緒に修行することになったのだが、

とにかく女性には珍しい、“ガッツ”あふれる学生だったことを覚えている。

 

織物が好きだった彼女は、卒塾してから、

京都市立芸大や京都大の大学院でその方面の研究を重ね、

現在は京都国立博物館の職員となって、

博物館の所蔵する文化財などの翻訳方として活躍している。

 

リンネさんとは、

その間、しばらく会う機会がなかったのであるが、

2016年の浅井老師の葬儀の時、それから2017年の春に

禅塾に来てくれて会うことができた。

 

2017年のときは、

娘さんの剣道の試合が長岡京市であったので、

ついでに寄ってみたと言って、禅塾を訪ねてくれた。

折しも博物館では「海北友松」の展覧会が開かれていて、

そのカタログと入場券ももってきてくれた。

 

リンネさんから贈呈された『海北友松』展覧会のカタログ(表紙)と入場券

 

今回のテレビでは、

この9月1日から京都で開かれていた国際博物館会議に合わせて、

「文化財の外交官」を自任する彼女の奮闘ぶりが紹介されていた。

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