春はあけぼの(令和2年3月4日)
春はあけぼの
やうやう白くなりゆく山ぎは
少し明かりて
紫だちたる雲の細くたなびきたる
『枕草子』の有名な冒頭の一節である。
作者である清少納言はこうした光景を
どのような場所から眺めていたのだろうか。
私は毎朝、塾生の参禅を聞いたあと、
5時50分頃に外掃除に出る。
外はまだ暗く、人通りもない。
この時季は落葉もほとんどないので
一年中を通じて一番仕事量が少ない。
それで掃除も10分くらいで終ってしまう。
竹ぼうきを小脇に抱えて塾に帰ろうとすると、
近くの寺で突く暁の鐘の音が冷たい風に乗って聞こえてくる。
ちょうど朝6時である。
柴庵2階から見た朝明けの空
同じころ、東の方、天神の森の上の方が
ほんのり明かるくなってくるのが分かる。
(画像は柴庵の2階から撮ったものである)。
朝の明け方はとくに気持ちの良いものである。
この時間はもっとも気温の下がる頃でもあるから、
気持も自然と引き締まる。
こうして私の一日は始まる。