作務を楽しむ(令和3年1月11日)

 

大作務終了

 

本日は禅会がコロナの影響で休会になったので、

塾生たちと私を含め総勢5名で、

竹箒で裏のヒノキ林の掃除を行なった。

 

このところの寒波襲来で、

朝に洗濯物を干しにでた時など、

それらがすぐに凍てつくというような、

近年経験したこともないような冷たさであった。

 

けれども幸い風はおさまっていて、

日差しがあったので、

身体もすぐに温まってきて、

若い塾生などは半そでシャツ一枚になって林を掃いていた。

 

禅の道場ではこういった労働を作務(さむ)といっている。

今日のように通常より長い時間おこなう作務を大作務(おおざむ)という。

禅修行といえば、すぐに坐禅が思い浮かぶかもしれないが、

実際には坐禅の時間よりも作務の時間の方が長いのである。

 

このことは、三昧(禅定)を修する上において、

身体を動かす作務の方が身体を固定した坐禅よりも

効果的であることを知った先人たちの知恵による。

 

作務になり切る

 

三昧を目的とする作務は日給や月給に換算されようのものではないし、

また奉仕やボランティアのようなものでもない。

ひたすら仕事と一枚になって自己を忘れ、

自己を忘れたところに、かえって真の自己を発見しようとする、

そういう意味では「真実」の追求と結びついた純粋の行為なのである。

 

作務の後は当然、おなかがすく。

それとともに心のなかも空っぽになっている。

だから昼飯がいっそう美味くいただける。

わけてもこの時の塾生諸君の顔が実によろしい。

(大作務後の昼は昔から禅塾特製のカレーライスと決まっています。)

 

作務後のカレー

 

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