随処に主となる
インド雑貨商店(長岡京市内)
実に自己は自分の主(あるじ)である。
自己は自分の帰趨(よるべ)である。
故に自分をととのえよ。
――商人が良い馬を訓練するように。
『真理について』(中村元 訳)
*「自己をととのえる」とは迷妄の自己を脱却して、
本来の自己(無相の主体)に還る修練をすること。
*釈尊はまた、「自灯明・法灯明」(自分と法を拠りどころとせよ)の言葉を遺している。
*『臨済録』には、「随処に主と作れば、立処(りっしょ)皆真」とある。
*禅では「人世無常」であるがゆえに一瞬一瞬をおろそかにせず、無的主体として一所懸命に生きて行こうとするのである。