新年の仏法 日常禅(その一)(令和5年1月4日)
正月の仏壇(長岡禅塾)
新年の仏法といっても、
何か特別な仏法があるわけではない。
例年のごとく、
人に会えば「明けましておめでとうございます」と挨拶する。
ただそれだけのことである。
禅にこんな問答がある。
僧、鏡清に問う、「新年初頭にも仏法は有るのでしょうか」。
鏡清云わく、「有る」。
僧云わく、「新年初頭の仏法とはどのようなものでしょうか」。
鏡清云わく、「元正啓祚萬物咸新」。
「元正啓祚萬物咸新(がんしょうけいそ ばんぶつみなあらたなり)」は、
「明けましておめでとうございます」という新年の挨拶である。
朝起きたら、「お早うございます」、
夜寝るときには、「おやすみなさい」と挨拶するように、
普段なすべき威儀をそのままに振舞うことが、
取りも直さず仏法の行事となるである(威儀即仏法)。
明恵上人の「あるべきようは」の教えには、
仏教者としての深い智慧が示されていると思われる。
*法語掲示板15「あるべきようは」を参照。