大雅窟遺風(はじめに)
昨年(令和4年)11月、大雅窟浅井義宣老師の石塔を建立させていただいた。
しかし老大師の遺徳をお偲びするのに、石塔の建立だけでは
どこかまだ不十分のような気がしないでもない。
そこで今回、老大師のご著書から、一般の方々にもわかるような言葉を抜き出して、
その遺徳を偲んでいただけるようにした。
最初に老大師生前の主なご著書を紹介しておこう。
・『禅 森本省念の世界』1984年、春秋社
・『悟りの構造』1986、春秋社
・『論語と禅』1988、春秋社
・『無相の風光』1993、春秋社
・『対話禅』1999、東方出版
・『長岡禅塾』2004、私家版(制作・便利堂)
・『禅が教える「接心」のすすめ』、2013、扶桑社。
大雅窟は浅井老師の室号である。
老師の道号が「大雅」なので、それに合わせて室号を大雅窟とされたのだろう。
老師をお呼びするときに、尊敬と親しみの意をこめて室号を用いることがあるのである。
なお浅井老師は半頭大雅とも名乗られていた。
それで浅井義宣と半頭大雅は別人だと思っていた人もいたようである。
「半頭」の由来については、やがて本文中で老師ご自身の説明を聞くことになるだろう。