大雅窟遺風(十九)
<脱落>
空っぽの
月が踊るよ
ポンポコポン
(『対話禅』「あとがき」)
大雅窟は「脱落」という言葉をよく使われた。「脱落」とは、「もぬけること」、すなわち、「空っぽ」になることです。言葉を換えると、「事物への一切の囚われから自由になること」である。
脱落すると、いちいちの行為が<遊戯(ゆげ)>の趣きを呈するようになる。そのことを「空華の万行」と言ったりする。上の一句には、大雅窟の脱落底がよく表現されている。
大雅窟はまた東洋の「空」の芸術を脱落的芸術として特色づけておられます。
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