相手を責めることなかれ、自分を責めることなかれ
つつじ(長岡禅塾)
たとえ自分は道理を言っているのに、
相手が間違ったことを言っていても、
理屈で攻めて相手を言い負かすのはよくない。
また、自分では現に道理だと思っているのに、
「私が間違っているのでしょう」と言って、
引き下がるのも速断にすぎてよくない。
ただ相手を言い負かさず、自分の間違いにもしてしまわず、
頓着せずにそのままにしておくのがよいのである。
相手の議論も聞こえないようにして気にかけないと、
相手も同様に忘れて怒りもしないのである。
何よりも大切な心得である。
(道元『正法眼蔵随聞記』)