長岡禅塾物語(プロローグ)
<『禅文化』(禅文化研究所 222号~229号)に連載されたものを転載>
ここに収めた小話8編は季刊雑誌『禅文化』(禅文化研究所)に連載(222号〜229号)したものであり、若干の訂正と補足を加えただけで、それらをそのままここに再録した。
全体は8つの話からなっているが、実は最初からそのように計画されて書き始められたものではない。
初め編集部からきた依頼は長岡禅塾について何か書いてもらえないかという趣旨のものであった。
当然一回限りの原稿依頼と考え、何とかなるだろうと了承した。
ところが制限された字数内で禅塾について語り尽くさねばならないとなると、事はそう簡単ではない。
それはいわば「一句で禅塾を言え」という公案と同じようなものである。
それに対する見解が求められたのである。
「掃除の歌」、これがわたしの考えた末の見解である。
そこに禅塾の真骨頂が遺憾なく言い表されていると思う。
それでタイトルを「掃除の歌」とし、その解説のようなものを付け加えて原稿を仕上げた。
ところが、その原稿の内容を検討している過程でいろいろと書きたしたいことが出てきた。
それで編集部に続編執筆の許可を願い出てみたところ、どうぞどうぞというご返事をいただいたので、調子に乗ってわたし自身の眼からみて禅塾に特徴的なところを中心に、さらに7編を書き加えてみた。
しかし、それら7編は、第一話を公案「禅塾如何」に対する見解だとすれば、着語(見解などに付け加えられる寸評、下語ともいう)のようなものである。
2013年秋
北野 大雲
長岡禅塾物語 第一話「掃除の歌」
長岡禅塾第三世半頭大雅老師(浅井義宣老師)について
長岡禅塾物語 第二話「大徹無為居士と香洲老師」
長岡禅塾創建者岩井勝次郎氏と開山(長岡禅塾第一世)梅谷香州老師について
長岡禅塾物語 第三話「夢中問答(前編)」
長岡禅塾第二世森本省念老師について
長岡禅塾物語 第四話「夢中問答(後編)」
長岡禅塾第二世森本省念老師について
長岡禅塾物語 第五話「生死即涅槃、あるいは震災のこと」
禅的あり方について
長岡禅塾物語 第六話「京都哲学との因縁」
長岡禅塾と京都哲学(西田幾多郎学派)について
長岡禅塾物語 第七話「柴庵閑話」
長岡禅塾逸話集
長岡禅塾物語 第八話「禅塾略列伝」
長岡禅塾で修行をされた方々について