知恩院界隈(2/9)
久方ぶりに知恩院あたりの散策に出かけてみた。
知恩院は山号を華頂山というが、
その山号を冠した大学(華頂大学・短期大学)が
私が最初に勤めさせていただいた学校だった。
知恩院黒門
知恩院の境内をひとまわりして黒門から外に出ると、
(右にまがると青蓮院、左は三門)
そのまま道が真っ直ぐにのびていて
そのゆるやかな華頂通りをくだって行くと
右手に華頂学園の校舎が立ち並ぶ。
華頂学園校舎
学園全体が
東山にいだかれた知恩院の山内にあり、
まわりに樹木も多く静かで、
まことに恵まれた景観の中にある。
私がそこに奉職中も入学式や卒業式のときには、
きまって一同が、その坂を上って知恩院に参拝することになっていた。
そんな時には特に、
何とはなしに浄らかな宗教的感情につつまれたものであった。
当時は大学はなく、短大だけであった。
その後、大学ができ、学舎も改築・新築がすすみ、
今ではすっかり様子も変わってしまったが、
学訓「和顔愛語」と墨で大書された文字だけは
昔とかわらずに、玄関入口を入ったところに掲げられている。
白川にかかる石橋
校舎を横にみて、華頂通りを西の方向、東大路通りの方に歩いてゆくと、
古びた門があり、傍を白川が流れていて、
そこに、人ひとり通るのがやっとの石橋がかかっている。
よく映画の撮影などにも使われている場所である。
私なども時々その橋を渡って、
近くの古川町商店街に買い物に出かけたりしたものであった。
夕暮れ時、授業を終えての帰途、
新門前通りを通って、花見小路通りに出るまでの道すがら、
湯桶をもったお風呂帰りの舞妓さんの姿をみかけることもあって、
京都ならではの風情を味わったことなど、
今は懐かしい思い出である。