長岡京の筍(4/11)
禅塾に隣接する竹林
長岡禅塾の周辺には竹林が多い。
現在禅塾の建っている場所も、
もとは竹林だったに違いない。
それで、このシーズンになると、
どこの農家も朝早くから
筍を掘り起こす仕事に忙しくなる。
禅塾でも以前は、外周に竹林があって、
農協を介して筍を市場に出荷していたようだ。
長岡京周辺の筍は良質で、
京都市内の料亭などでも珍重されているとか、
それで地元であっても値段は決して安くない。
良質であるその訳には、土壌の質などいろいろあるだろうが、
その育て方が念にいっている。
まず毎年、冬の初め頃、
竹林の雑草を除いて整地をし、
次に一面にワラを敷き詰め、
その上に肥料を蒔いて、薄く土をかぶせるのである。
この作業が大変で、
特に斜面の多い竹の林を
一輪車に土をのせて運ぶのは重労働だ。
禅塾でも以前、
12月の臘八大接心の折り、
午後の作務時には、決ってこの作業をしていたので
私はそのことをよく知っているのである。
こうしてみると、
長岡京で質のよい筍がとれ、
高価な値で取引されることも理会できるのである。
禅塾に山積みされた竹片
(かつて風呂の湯を沸かすのに使用されていた)