石に坐して薫風を待つ(令和2年5月20日)
「薫風につつまれて坐禅堂」(大雲)
先だってアメリカの友から、
コロナ禍お見舞いのメールが届きました。
その文面中に、
こういう時だからこそ、
自分たちはいっそう坐禅に勤しんでいる
ということが記されていました。
「池の面を薫風少し動かして」(稲畑廣太郎)
さて、長岡禅塾の坐禅会はコロナの影響で、
とりあえずこの4月と5月は休会になっているのですが、
会員の皆はどう過ごしているだろうか。
少し気になりました。
このことはさておくとして、
家に閉じこもっての“巣ごもり”がこうも長くつづくと、
誰でもストレスがたまってきます。
これを何とかしたいものです。
種々の工夫を凝らした生活改善が必要になります。
「若葉光映して涼し障子窓」(大雲)
そこでその一つの方法として
坐禅をすすめてみたいと思います。
足の組めない人はイスを使っての坐禅(イス坐禅)でも構いません。
坐禅、あるいはイス坐禅の仕方がわからない場合は、
PCで容易に検索することができます。
坐禅をするときに特に注意してほしいのは、
呼吸法についてです。
その一つに数息観というやり方があります。
これについてもネットで検索してみてください。
「松杉をほめてや風のかほる音」(芭蕉)
そうして数を数えることに集中することで、
心を何ものにもとらわれない静寂の情態にもっていくのです。
もしこうしたことに習熟したなら、
やがてさわやかな薫風が
あなたの心中を吹きぬけていくことでしょう。
薫風に因んだ私の好きな禅語をひとつ紹介しておきましょう。
「薫風南より来たり 殿閣微涼を生ず」
(薫風自南來 殿閣生微凉 柳公権)