頌春(1/4 )
餅つかずしめ飾りせず松たてず
かかる家にも正月はきつ
(一休禅師)
私が子供の頃は、とくに元日などは
多くの人が晴着を着て、街中が華やいだ気分になったものでしたが、
いつの頃からか、そういうこともなくなってきて、
外観上ではハレとケの区別がつきにくくなってきました。
それでも年が変わると、やはり気分だけは改まった感じがします。
新年あけまして おめでとうございます。
今年平成31(2019)年の干支は亥(い)、イノシシの年です。
イノシシと言えば、「猪突猛進」という言葉がすぐに思い浮かびます。
この言葉は、「前後を考えないで猛然と突き進む」ということで、
あまりいい意味では使われていないように思います。
長岡天満宮(猪の絵馬の看板)
(長岡禅塾は長岡天満宮に隣接しています)
しかし、禅の方から見ますと、
そのことは必ずしも悪いことではありません。
禅語に「一超直入」という言葉があります。
本来、これは悟りの境地に至るために、
「一足飛びに、真っ直ぐ進め」という意趣ですが、
私たちの日常生活でも、ぐずぐずしていると、
折角の好機を逃してしまうことになりかねません。
ですから、時にはイノシシに倣って
思い立ったら直ぐに行動に移れる、
そんな「気」も養っておきたいものです。
今年も皆様の毎日が
日々好日となりますよう、
ご多幸をお祈りしております。