「薫風にさそわれて」長岡京歴史散歩(1)(令和3年4月14日)
総本山光明寺 総門
薫風にさそわれて、
一日、自転車に乗って近くの光明寺まで出かけてみた。
禅塾から丹波街道を北の方に10分ほど行くと、
左手にすぐ寺領がひろがっている。
土地の人に「粟生(あお)の光明寺」として親しまれているこの寺は、
西山浄土宗の本山で、建久9年(1198)
蓮生法師(熊谷次郎直実)により創立され、
法然上人を開山第一世としている。
鐘楼(光明寺)
総門をくぐり広く緩やかな石畳を上ると、
京の西山連峰を背にして、
正面に御影堂、その手前に鐘楼、奥に阿弥陀堂が配置されている。
いずれも歴史をしのばせる佇まいで周りの景色によく溶け込んでいる。
御影堂(光明寺)
この寺は秋の紅葉で有名である。
いつかJRの観光用ポスターで全国に紹介されたこともあった。
確かに秋の紅葉は見事である。
けれども初夏の楓の若葉(青紅葉)もまたそれに劣らず美しい。
光明寺法師も愛でし青紅葉 大雲
(*「法師」はここでは吉田兼好のこと。『徒然草』を参照。)
もみじ参道(光明寺)
私がその寺を気に入っているのは、
寺全体が広々としていて、樹々以外に余計なものがない。
しかも洛西に位置しているため都の中心から離れているので、
普段は観光客も少なく深閑としていて一人を楽しむことができる。
寺内を一回りして、
昼までにまだ時間があったので、
帰り道に花屋によって椿の苗木3本(一子侘助2本、紅侘助1本)、
それに都忘れ1鉢を買って帰った。
薬医門(光明寺)